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灰色の記憶

9/12 ー 9/14

9/12(土)

天気:雨のち雲り

眠剤のお陰で熟睡できた。何をしようにも気力がなく、横になっているうちに午前が終わる。

横になっていたらいつのまにか眠っていた。仮眠のつもりが過眠になり、束の間の自己嫌悪。15時2分。雨上がりの空に烏の鳴き声が響いていた。昨日買った小説でも読もう。

15時46分。生憎、読書は捗らない。栞を挟んで閉じる。近隣からトランペットの音が断続的に流れ始める。おそらく、一人で練習しているのだろう。聞く度に上達しているような気がする。僕はこの音が嫌いじゃない。初めて聞いたときは煩わしく思っていたが、今は終わってしまうと寂しくなるまでになってしまった。時計を見遣る。夕刻。ほどなくして17時の鐘。もう今日は何もしないでいいかな、なんて思う。ゆっくりと瞼を下ろし、ふたたび耳を傾ける。この天気に馴染んでいるような音色だ。僕はこういった身近にある美しさほど尊び、それらを死ぬまで慈しんでいたい。



9/13(日)

天気:雲り、のち雨

あれだけ寝たのにまだ倦怠感が残っている。燃費の悪い体だとつくづく思う。朝食は目玉焼きとトースト。昔はよくトーストの上に乗せて食べていたが、最近は何となくしなくなった。空は一面、雲で覆われていた。今日は夕方から雨だって言ってたな。10時44分。網戸から入る風が涼しくて心地いい。

人工的な灯りというものが苦手だ。蛍光灯、街路灯、ネオンライト、自動車のヘッドライト、テールランプ、等々。家に一人でいるとき、僕は電気を滅多に点けない。南の窓から自然光を取り入れるだけだ。真昼なのに薄暗い、極夜みたいな部屋で僕は生活している。それが精神的に落ち着くんだろう、僕は朝も昼も嫌いだ。気に入っている人工灯は一つだけある。ひとけのない場所でひっそりと佇んでいる、控えめな数の装飾が施されたクリスマスツリーだ。去年の冬のバイト終わり、僕はそんな人工灯を偶然目にして、勝手にシンパシーを抱いた。早くお互い月明かりになりたいな、と心の中で呟いた。



9/14(月)

天気:雲り

4時14分。日が昇るにはまだ少し早いくらいの時間に起きてしまった。外の薄明かりを頼りに本を読むのが好きなのだけれど。

8時17分。ゴミ出し。寝巻きから私服に着替えるのは3日ぶりだ。外に出ると涼しいを通り越して肌寒かった。もう半袖は辞めにしよう。

青空文庫八木重吉の「秋の瞳」を読んだ。この詩集の冒頭には、こうしたためてある。

『私は、友が無くては、耐へられぬのです。しかし、私には、ありません。この貧しい詩を、これを、読んでくださる方の胸へ捧げます。そして、私を、あなたの友にしてください。』

久々に良い詩人に出逢えた。今度、詩集を買いに行こう。



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幸い、三日坊主は免れました。