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灰色の記憶

日記 1/15-1/21

1/15(金) 天気:くもり

皆川博子「夜のアポロン」読了。


1/16(土) 天気:晴れ

無印のシングルベッドを組み立てていた。組み立てたが、自分のものではない。


1/17(日) 天気:くもり

姫野カオルコ「変奏曲」読了。

空腹感というのは、なぜこうも鬱陶しいのだろう。食べること自体は嫌いではない。むしろ好きなほうだ。ただ、食べたくない時に無理に食べることほどストレスになることはない。

コンセントに繋いで使うCDプレイヤーのほかに、単三乾電池2本で起動するCDプレイヤーを持っているが、こっちは数えるほどしか使っていない。いつだか、渋谷のタワーレコードで買ったものだ。Bluetoothが搭載されている変わり物なのだが、この機能も数えるほどしか使っていない。なぜ買ったのだろう。


1/18(月) 天気:晴れ

湯を沸かし、インスタントコーヒーを2杯あおり、暖を取った。なんとなく歩きたい気分になり、家を出た。計算が正しければ、4日ぶりの外出になる。まあ、外出といえるほど、たいそうな規模ではないのだけど。

川面が陽光を反射して煌めいていた。地平線が仄かに白んでいるが、冬うららと呼んで差し支えない、冴えざえとした様相を呈していた。

改築中の家を横目に、あれがジャングルジムだったらいいのになと、ぼんやり思った。

参道脇の小さな店で、クレープを買い食いしている高校生二人組がいて、いいなと思った。

いつもの図書館に寄った。4冊借りた。

駅に寄り、歌広場で1時間潰した。

よく歩いた。復路で一つ詩を書いた。

アルベール・カミュ「異邦人」読了。


1/19(火) 天気:晴れ

PCでスパイダーソリティアをしていたら2時半を過ぎていた。昔、祖母の家のPCでよくやっていたのを思いだした。祖母に会いたくなった。

夢をみた。切り立った崖から落ちる夢だった。踏み外したのか、みずからの意志で身を拋ったのかは定かではない。ただ、転落中、空と大地が逆だったらいいのにな、せめて重力がなければな、と思った。大地よりも、空に吸い込まれたい、呑み込まれたい、そしていっそ、融けてしまいたい、と思った。空が好きだから。

村田沙耶香「変半身」読了。


1/20(水) 天気:晴れ

夜釣十六「楽園」読了。

もし失明したら、ということを時々考える。目に限らず、自分のからだのどこかが突然機能しなくなった時のことを想像する。昔、どこかのお寺で戒壇廻りを体験した。胎内巡りともいうらしい。暗闇の中を歩くというものだ。怖いというより、心細いと思ったような気がする。


1/21(木) 天気:晴れ

『わたしには今苦痛がある許り、

さうしてそのほかは何も望まない。

苦痛はわたしに忠実だつた、

さうして今でも忠実だ。

何故わたしは苦痛に対して腹を立てたか、

魂がわたしの心の底を搗き砕いたあの時に

わたしの側に坐つてゐたのは彼ではなかつたか?

おお、苦痛よ、やうやくわたしはお前を尊敬するやうになつて来た。

お前は死ぬまでわたしを去らぬことを

やうやくわたしは知ることが出来た。

ああ!つまりお前は美しいのだ、

お前はわたしの哀れな暗い心の中の囲炉裏の側から

去つたことのない人たちのやうだ。

おおわたしの苦痛よ、お前は恋人以上だ

何故なれば、わたしは知つてゐる

わたしの断末魔の時も

お前はわたしと一緒に病床にゐることを

おお苦痛よ、もつと深くわたしの心に食ひ入らうとして。』

(フランシス・ジャム『苦痛を愛する為の祈り』訳:堀口大學



これほど孤独を感じる詩が、あっていいのか。