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灰色の記憶

日記 2/5-2/11

2/5(金) 天気:晴れ

また図書館にいった。

詩を2つ書いた。

時計の秒針より、心臓の拍動の方が速い。


2/6(土) 天気:晴れ

リチャード・ブローティガン「西瓜糖の日々」を読んだ。島本理生とか、雛倉さりえの作品で出てきて(多分)、気になっていた作品なのだけど、雰囲気のいい、好みの小説だった。

本を読んだり、物を書いたりしていることの意味が偶にわからなくなる。でも、意味や価値や目的や生産性があろうがなかろうが、辞めることはないのだろう。辞めたいとも思わない。もう、肌に染みついている行為だから。生態といってもいい。


2/7(日) 天気:晴れ

きょうは、外に出た。陽ざしが心地よかった。

先のことを考えていない。考えたくない。

川上弘美「溺レる」を読んだ。

書いた詩が600に達した。公に出さない陳腐な詩が。


2/8(月) 天気:晴れ

きのうと較べて肌寒く、風も強かった。寒いのは昔から苦手だ。それに、感傷的になってしまう。

いつから自罰的になったんだろう。全部自分のせいにしてしまう。その方が楽だから。

「ふり」をすることさえ出来なくなったら、私はもう生きられないだろう。蛻の殻だ。


2/9(火) 天気:晴れ

ちくまから出ている尾崎翠の作品集を買った。解説は矢川澄子。小説に加えて詩も収録されている。短いものから読もうと思う。

花の名前とか、鳥の名前とか、幼い頃に身につけておくべき知識がまったくといっていいほどなくて、自分の幼少期の物事に対する無関心さを恥じる。仕方がないので、簡単なものから、季節のものからこつこつ覚えている。もちろん、名前なんて知らなくても綺麗なものは綺麗なのだけれど。


2/10(水) 天気:晴れ

詩を2つ書いた。

久々に短歌を書いた。ネットプリントに出した。

短歌より自由律俳句の方が好きなのだけれど、活動人口が少ない(気がする)。それでも私はやる。

小説もまた書きたい。この日記もつづける。


2/11(木) 天気:晴れ

千早茜「人形たちの白昼夢」を読んだ。残酷で、苦しくなるくらいに美しかった。

「幸福は閉鎖だ」という言葉を思いだした。その意味が解ったような気がする。周りに理解されなくても、否定されつづけても、互いが認め合い信じ合っていれば、それでいい。それ以上に大切なことなんて、何もない。

生きている間に、死んでいく友人をどれだけ見ることになるだろうと思うと、耐え難い喪失感に襲われる。おぼろげな記憶しか遺されない。何もかもが、脆く儚い。それゆえの、揺るぎない美しさ。惨めに縋り付き、歯を食いしばり、地を這うことの切実さ。そのすべてを、慈しむことができたなら。

私は、語られなかったものさえ愛している。