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灰色の記憶

日記 4/9-4/15

4/9(金) 天気:晴れ

悪は無くならない。何故なら、誰もが同じ正義をもつわけではないから。悪というのは往々にして、認識の齟齬から生まれるから。


長らく共にしてきた認識というのは、もはや身体の一部みたいなものだ。当人にとってはそれが常識となる。矯正するのは容易ではない。


葛藤とは自問自答の事だろうか?受容の背後に葛藤がある事は少なくない。


全否定と同じくらい、全肯定が恐ろしい。肯定と受容は違う。また、受容は共感ではない。


この間、ルソーを読んでいたら、「僕は憎む事は無いが、軽蔑はする」みたいな文章があったけれど、芥川も同じような事を言っていた気がする。憎むより軽蔑する方が楽だと思う。


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君もまた優しさのために、性格を壊すのではないか。

​───中原中也


詩を書き始めて、きょうで二年。三年目も頑張ろう。


4/10(土) 天気:晴れ




倦怠と焦燥だけがある。どうにかしてくれ。


4/11(日) 天気:晴れ

鷺沢萠帰れぬ人びと」読了。こんなに文章が上手い人がいたのか、と思った。


また本屋にいった。上田岳弘「ニムロッド」が気になっている。帯文が島本理生だった。


田中西二郎訳のブロンテ「嵐が丘」が読みたい。あと、天沢退二郎の詩集を探している。


4/12(月) 天気:くもり

悪い夢ばかり。


選択肢に死があるうちは幸福にはなれないのだろうか。本当にどうにもならなくなったら死ねばいいしな、という気持ちで生きている。じゃあ今はどうにかなってるのかというと、まあ、辛うじてどうにかなってるんだと思う。いつ崩壊してもおかしくないような、瀬戸際の日々。


4/13(火) 天気:雨

いまさらながら、人間失格を読みました。本当に良いものを読むと、何も語りたくなくなりますね。死ぬまで、繰り返し読むと思います。


4/14(水) 天気:雨






何も無し。けど、詩は書いた。


4/15(木) 天気:晴れ

江國香織「雨はコーラがのめない」を読んだ。


恐怖はたぶん、一人一人がみんな個別に、いつも、そしてずっと、戦わなきゃならない何かなんだろうなあ。

(本文より抜粋)


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自分が一番不運な人間なんだという思いと、自分よりも不運な人間なんていくらだっているという思いに板挟みになる時が、最も悶える時かもしれない。


思い込むことで楽になることはあるが、所詮は虚しい弥縫策に過ぎない。半端な自己暗示は、却って劣等感罪悪感を増幅させるだけのように思う。


言語化できない苦しみにぶつかった時、出来ることは、「言語化」という活動を批評することくらいだろう。或いは、黙って死を待つこと。


「あなたの言葉に救われました」、「あなたの言葉に傷つきました」、どちらを言われても嬉しい。それは、良くも悪くも、無視しなかったということだ。向き合わなければ、癒えることはおろか、傷つくことさえ出来ない。


腹が減れば物を食い、喉が渇けば水を飲む。愛も、それくらい単純なものならよかったのに。


真剣になれるものが、言葉くらいしかない。


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あなたを見ている 忘れていくから
さよならの途中、悲しみが足りない

(ピコン/ 悲しみが足りない)


涙が零れた あなたに触れて
さよなら忘れて生きていたい惨めなまま

(ピコン/ 死ぬにはいい日だった)


さよならからまだ始まらない
君との会話も忘れてゆく

君の脈で踊りたかった 今はできない
生ぬるいまま変れないでいる日々に溶けてゆく

今に負けそうだ

君の所為とか思わないけど何故か寂しくて
生ぬるいまま息を吐いている 日々に騙されて

君の脈で踊りたかった 今はできない
情けないけど抱きしめてよ 側にいて

(ピコン/ 君の脈で踊りたかった)


あれもこれもそれも駄目になって
思い出したいくらい辛くなって
だけど今も思い出せなくて
涙が溢れた毎日だって
季節を忘れた毎日だって
くだらないなりに記憶めくって

故に哀しあってなぁなぁになって
君がいないなんて嘘みたいな毎日だ
哀しあってなぁなぁになって
ただ独り見えた 君が笑っていた

(ピコン/ ただ息をしていた)


覚えたことすら零れていくけど
脆すぎる日々をまだまだ愛していたい

塞いでいたけど季節がただ剥がれていく
あなたが居ないこと認めてしまえた

まだ浅い夜に

また逢えたらあなたと夢の中で
いつかは忘れるけど

目が覚めたらいつかと同じ夜で

あなたの声すら忘れてただ剥がれていく
あなたが居ないこと認めてしまえた

まだ浅い夜に

(ピコン/ 愛)


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外にでた。相変わらず錆びた自転車を飛ばしている。最近は雨が降りやすいから、晴れている時は外にでたくなる。


古本を買った。レアージュO嬢の物語」(澁澤龍彥訳)、ギャリコ「雪のひとひら」(矢川澄子訳)の2冊。どうでもいいけど、澁澤と矢川は元夫婦。


図書館へ。ペソアコクトーグラビンスキ、マンディアルグを1冊ずつ借りた。鞄が重い。本当は絵本が読みたくて来たのだけど、いつもの癖で小説の棚にいってしまった。


来月、シオランの「生誕の災厄」新装版がでるらしいから、とりあえずそれまでは生きる。


死がよぎらない日がない。私は、戦いつづけたい。死ぬまで、戦いつづけたい。完全にひとりになったとしても。

















ひとりになってからが、本番だろう。