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灰色の記憶

日記 10/1-10/7

10/1(金)

カミュ『ペスト』(光文社古典新訳文庫)を買った。



10/2(土)

摘みとった花と贈られた花
そのあいだに言いあらわせぬ虚しさ

(ジュゼッペ・ウンガレッティ『永遠』)



10/3(日)

遠野遥『改良』を読んだ。



10/4(月)

「罪だけのために罪を愛する者には、動機なんか必要ないのさ」

(マルキ・ド・サド『新ジュスティーヌ』)



10/5(火)

一行詩を、2つ。



10/6(水)

せめて誰かの虚構の海で
溺れたいのです

(syrup16g/ 赤いカラス)



10/7(木)

あらゆる花のなかでも一番美しい花から、
優しい名前のなかでも一番艶なる名前をえらんだ瑰麗の島よ。
お前の島影を眺めれば
何と輝かしい時代の夥しい思い出が蘇ってくるであろう。
何と過ぎ去った幸福の夥しい場景が、
何と葬られた希望の、夥しい思いが現われてくるであろう。
もう見えない​──お前の緑の坂には現われない
乙女のいかに夥しい幻が蘇ってくるであろう。
もういない​──あわれ、あの魔のうら悲しい笛の音は
すべてのものの形を変える。お前の魅力はもう心を悦ばすことはない​──
お前の思い出はもはやない。今より私は
お前の花の彩る海岸も呪いの国と思うだろう。
ああヒヤシンス咲く島よ、ああ深紅にかすむヅァンテ島。
「黄金の島、東方の花よ」

(エドガー・アラン・ポー『ヅァンテ島の歌』)