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灰色の記憶

日記 2/26-3/4

2/26(土)

私は嫌いなもののあいだで選択を強いられる。──夢か、それとも、行動か。夢は私の知性の嫌うものであり、行動は私の感受性の憎悪するものだ。行動か、私は行動のために生まれた人間ではない。それとも、夢か。だが、夢のために生まれた者など誰もいないのだ。
結局、どちらも嫌いなので、どちらも選ばないことになる。しかし、夢見るか、行動するか、どちらかを選ばねばならない状況も起こる。そこで、私はこの二つを混ぜてしまうのだ。

(フェルナンド・ペソア『新編 不穏の書、断章』訳:澤田直 平凡社ライブラリー 2013.1)




2/27(日)

生には春の終りのヒステリーのようなものがある。

(E.M.シオラン『涙と聖者 新装版』金井裕 紀伊國屋書店 2021.5)




2/28(月)

マイケル・オンダーチェ『アニルの亡霊』を買っているおばあさんがいた。『戦下の淡き光』は知っているだろうか。




2/28(月)

鴨長明方丈記』(訳:蜂飼耳 光文社古典新訳文庫 2018.9)

尾崎豊『白紙の散乱』(角川文庫 1993.4)

大江健三郎『死者の奢り・飼育 改版』(新潮文庫 2013.4)

大江健三郎『空の怪物アグイー 改版』(新潮文庫 2002.9)

魯迅『阿Q正伝・狂人日記 他十二篇 吶喊 改版』(訳:竹内好 岩波文庫 2006.5)

吉行淳之介砂の上の植物群』(新潮文庫 1998.10)

北杜夫『夜と霧の隅で』(新潮文庫 1963.7)

を買った。




3/1(火)

冬が終わる




3/2(水)

友達に会った。元気そうでよかった。




3/3(木)

皆川博子『愛と髑髏と』(角川文庫 2020.3)を買った。「悦楽園」目的で買ったので、買ってすぐ読み始めた。


あなたのために何もできない私は、せめて、私の苦痛、私の傷をあなたに捧げているのです。

(皆川博子『悦楽園』)




3/3(木)

梅の花をみた。匂いがわかる。




3/4(金)

デュルタルは言う。「ともかく、研究する興味のあるのは、聖者と極悪人と狂人だけだ。話題にする価値のあるのはこの三者以外にはない。思慮分別ある人間は、要するに無価値だ。なぜならば、彼らは退屈きわまるこの人生の永遠の頌歌を反復しているにすぎないからだ。彼らは俗衆だ。多少の知恵を持っているとはいえ、要するに俗衆だ。おれにはそんなものはうんざりだ!」

(ユイスマンス『彼方』田辺貞之助訳)




3/4(金)

現実を凌駕する残酷を書こうとしなければ創作の意味がない