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灰色の記憶

日記 10-22-12/31

10/22(土)

喉が痛い。

 

 

10/23(日)

朝。寒気に嘔気。

食べ物を入れたら吐いてしまった。

昼。寒気と嘔気は消えた。まだ喉が痛い。

 

 

10/24(月)

たとえ言葉を話さなくとも、花が生きて呼吸をしていて、やがて萎れて死んでしまうという事実を否定できる者がいるだろうか?

(カルロス・フエンテス「女友達」)


石の国。石の言葉。石の血と記憶。ここから逃げなければお前も石になるだろう。さっさと出てゆけ、国境を越えて、石を払い落とせ。

(カルロス・フエンテス「賭け」)


生き残ったおかげで、噓という尽きることのない富を手にした、
生き残ったからこそ人を騙すことができる、

(カルロス・フエンテス「リオ・グランデ、リオ・ブラーボ」)

 

 

10/25(火)

通所31日目。

 


10/25(火)

・『山中智恵子歌集』(書肆侃侃房 2022.7)

高橋たか子『亡命者』(講談社文芸文庫 2022.5)

室生犀星『かげろうの日記遺文』(講談社文芸文庫 2012.7)

タハール・ベン・ジェルーン『気狂いモハ、賢人モハ』(澤田直訳 現代企画室 1996.7)

を借りた。

 

 

10/26(水)

咳がとまらない。

 

 

10/27(木)

咳がとまらない。

 


10/27(木)

そりゃ、人生が懐かしくなることだって時にはあるんだ。生きたことのない人生だけれど。

(タハール・ベン・ジェルーン『気狂いモハ、賢人モハ』澤田直訳 現代企画室 p59)

 

 

10/28(金)

通所32日目。

 


10/28(金)

川野芽生『月面文字翻刻一例』(書肆侃侃房 2022.10)を買った。


・マリオ・バルガス・ジョサ『マイタの物語』(寺尾隆吉訳 水声社 2018.1)

・ロベルト・ボラーニョ『ムッシュー・パン』(松本健二訳 白水社 2017.1)

を借りた。

 

 

10/29(土)

・『ハーディ短編集』(河野一郎新潮文庫 1957.12)

アンドレ・ブルトン狂気の愛』(海老坂武訳 光文社古典新訳文庫 2008.3)

・『怪談の悦び』(南條竹則編訳 創元推理文庫 1992.10)

を買った。

 

 

10/30(日)

おまえさんときたら、浮き世ばなれしていて全く良い役回りだね。おれたちのことを眺めて、それをネタに三文小説を書くわけだ。批判するのはた易いが、生きるのは、生きるために戦うのは誰にでもできることではないと誰かも言っていたではないか。おまえは人のことをとやかく批判するだけが取り柄だ。気楽なもんだな。自分でもこの悪徳の泥沼の中に入ってみたらどうだ。辛いものだぞ。おれには守るべき原則もあるが、おまえときたら風の向くまま気の向くまま。いつだって鰻みたいにぬらっと手の間をすり抜けてゆくんだ。人生には言葉があれば十分と思っているらしいね。おまえたちは言葉の林の中に逃げ込んで、言葉で世界を作っている。階級闘争とやらがお望みらしいな。幻想だよ、そんなもん。国家は言葉など必要としていない。詩なんてなおさらおよびじゃない。必要なのは進歩と新技術だ。

(タハール・ベン・ジェルーン『気狂いモハ、賢人モハ』澤田直訳 現代企画室 p74-75)

 

 

10/31(月)

病院にいった。

 

 

11/1(火)

通所33日目。

 


11/1(火)

山藤の花序の無限も薄るるとながき夕映に村ひとつ炎ゆ

(『山中智恵子歌集』書肆侃侃房 p10)

 

 

11/2(木)

夢枕獏『バロルの晩餐会 ハロウィンと五つの謎々』(角川書店 2018.10)を買った。

 


11/2(水)

寒い。
この世すべてが、寒い。
誰か、ここにいる人々の一人に、そう言いたい。寒い、この世すべてが寒いけど、別なものをね、という答が、こだまのようにその人の口から返ってくれば、ほっとするだろう。

(高橋たか子『亡命者』講談社文芸文庫 p11)

 

 

11/3(木)

詩を書いた

 

 

11/4(金)

通所34日目。

 


11/4(金)

『妖術』(泉鏡花)を読んだ。

 

 

11/5(土)

突然、どういうわけか、何もかもが完璧に思えた。

(ロベルト・ボラーニョ『ムッシュー・パン』松本健二訳 白水社 p34)

 

 

11/6(日)

大江健三郎『宙返り(上)』(講談社 1999.6)

大江健三郎『宙返り(下)』(講談社 1999.6)

スタインベック『キャナリー・ロウ〈缶詰横町〉』(井上謙治訳 福武文庫 1989.5)

を買った。

 


11/6(日)

母が倒れた。救急車を呼んだ。

親父は自分のことしか考えていない。

両親は愛し合ったことがなかった。私は望まれない存在だった。

 

 

11/7(月)

おまえの頭に、いくつの小太陽があるのか?

(タハール・ベン・ジェルーン『気狂いモハ、賢人モハ』澤田直訳 現代企画室 p82)


あんたらの信仰を愚弄するときの海が好きだよ。

(p103)


もはやおれは源を見失った流れ
来歴のない言葉
夜とともに消え去る夢

(p114)


あいつは反(アンチ)・全てなんだ。

(p123)


おれの言葉はずっと狂っているんだ。

(p130)


生まれてこないのがまず最良の方法さ。そりゃあ誰にでもできることじゃないけどな

(p132)


生きて来た過去はおれを忘れてしまった。おれは失墜する記憶のなかへと粉々になって落ちて行く。言葉の砂のなかに身を投げる。おれは苦い言葉、拙く、良く考えられもせず、生きられることのなかった一行。そして、幻想のために今でもおれはそのまわりを回っている。

(p141)


おれの頭には変化する軽い牧場がある。生きている牧場、光の広がりの上にひっくり返された小詩篇でできた世界。遠くには、ひとりの女、ひとつの国、ひとつの民。おまえの髪には最後の月の露。おまえの体の上では言葉が輝き、おまえは夜から混乱へと、沈黙から陶酔へと向かう。呪いの言葉を吐かないために、祈ることを避けるために、思い出さなくなるように、抑圧を止めるために。

(p147)

 

 

11/7(月)

死にたい

 

 

11/8(火)

通所35日目。

 


11/8(火)

スチュアート・ダイベック『僕はマゼランと旅した』(柴田元幸白水社 2006.3)

・ウラジーミル・ソローキン『ロマン Ⅰ』(望月哲男訳 国書刊行会 1998.3)

ハリー・ムリシュ『天国の発見(上)』(長山さき訳 バジリコ 2005.12)

・イスマイル・カダレ『死者の軍隊の将軍』(井浦伊知郎訳 松籟社 2009.10)

レオ・ペルッツ『夜毎に石の橋の下で』(垂野創一郎国書刊行会 2012.7)

・アレクサンドル・グリーン『消えた太陽』(沼野充義、岩本和久訳 国書刊行会 1999.6)

タハール・ベン・ジェルーン『出てゆく』(香川由利子訳 早川書房 2009.2)

を借りた。

 

 

11/8(火)

なにかを見落とすことを恐れて、彼はひたすら見つめていたのである。

(ウラジーミル・ソローキン『ロマン Ⅰ』(望月哲男訳 国書刊行会 p19)

 

 

11/9(水)

ミシェル・ウエルベック素粒子』(野崎歓ちくま文庫 2006.1)を買った。

 

 

11/10(木)

ニーチェツァラトゥストラ』(手塚富雄訳 中公文庫 2018.5)を買った。

 

 

11/11(金)

通所36日目。

 


11/11(金)
 
大江健三郎『﨟たしアナベル・リイ  総毛立ちつ身まかりつ』(新潮社 2007.11)

・松浦友久『李白  詩と心象』(現代教養文庫 1970.1)

宮木あや子『喉の奥なら傷ついてもばれない』(集英社文庫 2021.11)

を買った。


レアード・ハント『ネバーホーム』(柴田元幸朝日新聞出版 2017.12)を借りた。

 

 

11/12(土)

まるで、自覚がないから俺に落ち度は無い、そんな記憶は無いんだから、咎められる筋合いは無いとでも言わんばかりの態度。人を、舐めているのか?

会話をしてくれないって?俺を避ける、孤立させるって?破綻している会話をする必要は無い。まともな受け応えができない人間を相手にする時間は無い。建設的な会話を他人に求める前に、会話の練習を共にしてくれる人と、会話の練習をしたらどうだ?会話を、知らないのか?お前との会話は会話でも何でもない、ただ時間を空費しているだけだ。誰がどう見ても、建設的な議論を希求する人間の人格ではない。人格が破綻しているから会話が破綻するのではない。会話が破綻していれば相手の人格は破綻しているんだよ、十中八九。

お前が良かれと思って為すことすべてが裏目に出る。なのに謝罪はなし、それどころか被害者面だ。疎外するな、だ?疎外されるべき人間を疎外して何が悪い?何度注意しても直さない、直す素振りも見せない愚かな人間を忌避し、憎悪し、軽蔑して何が悪い?自己内省を知らないお前の空回りの善意で幸せになる人間は一人もいない。

 

 

11/13(日)

倉橋由美子パルタイ』(新潮文庫 1978.1)

円地文子『妖  花食い姥』(講談社文芸文庫 1997.1)

カミュ『ペスト』(宮崎嶺雄訳 新潮文庫 1969.10)

・シュトルム『みずうみ』(高橋義孝新潮文庫 1953.8)

を買った。

 

 

11/14(月)

作品を見てくれる人がいる。また見たいと言ってくれる人がいる。それで充分だ。

 

 

11/15(火)

通所37日目。

 

 

11/16(水)

真実は、真実であるからこそ、無限に変容する。

(宇野邦一『〈兆候〉の哲学  思想のモチーフ26』青土社 p177)


言葉は愛にまみれ、やがて空転し始めた。愛について語る言葉がもうないのだ。

(p184)


対話しながら対話が止まってしまうとき、そこに穿たれるクレヴァスがあるなら、その空隙と対話し、もう一つ空隙が見つかるなら、こんどは空隙どうしが対話するだろう。

(p187)


言葉は死、言葉の死、そのことに中心まで深く冒された生は、初めから死とむつまじく親和していた……。

(p189)


あなたがいなくてものすごくさみしい、とわたしは書いた。ものすごくしあわせだ、ともわたしは書いた。

(レアード・ハント『ネバーホーム』柴田元幸朝日新聞出版 p6)

 

 

11/17(木)

自分のやることは全て正しいと思っているらしい。

 

 

11/18(金)

通所38日目。

 

 

11/19(土)

寝ても寝た気がしない。

 

 

11/20(日)

料理をしていた。

 

 

11/21(月)

夢のなかで詩を書いていた。復元できない。『巡』という字を書いたことは憶えている。

 

 

11/22(火)

通所39日目。

 


11/22(火)

『ハーディ短篇集 幻想を追ふ女 他五篇』(森村豊訳 岩波文庫 1932.9)を買った。

 

 

11/23(水)

通所40日目。雨。

 

 

11/24(木)

開高健『輝ける闇』(新潮文庫 1982.10)を買った。

 

 

11/25(金)

通所41日目。

 

 

11/26(土)

中井久夫スペシャル 2022年12月 (100分 de 名著)』を買った。

 

 

11/27(日)

疲れた。

 

 

11/28(月)

大江健三郎『日常生活の冒険』(新潮文庫 1971.8)を買った。

 

 

11/29(火)

通所42日目。

 


11/29(火)

中村眞一郎『秋』(新潮社 1981.1)

・『地の果て  至上の時 中上健次選集10』(小学館文庫 2000.2)

大江健三郎『見る前に跳べ』(新潮文庫 1974.5)

山尾悠子ラピスラズリ』(国書刊行会 2003.9)

を買った。

 

 

11/30(水)

詩を書いている。

 

 

12/1(木)

少し楽になった。

 

 

12/2(金)

通所43日目。

 

 

12/3(土)

中上健次『大洪水』『熱風』が読みたい

 

 

12/4(日)

ベルンハルトの新刊を少し読んだ。

 

 

12/5(月)

料理と掃除をした。

 

 

12/6(火)

通所44日目。

 


12/6(火)

コクトー恐るべき子供たち』(東郷青児訳 角川文庫 1953.3)

服部まゆみ『罪深き緑の夏』(河出文庫 2018.8)

を買った。

 

 

12/7(水)

通所45日目。

 

 

12/8(木)

井上靖『石濤』(新潮社 1991.6)を買った。

 

 

12/9(金)

通所46日目。

 


12/9(金)

『箱の中のあなた 山川方夫ショートショート集成』(ちくま文庫 2022.12)を買った。

 

 

12/10(土)

石川達三『青春の蹉跌』(新潮文庫 1971.5)

石坂洋次郎『麦死なず』(新潮文庫 1976.3)

黒井千次『春の道標』(新潮文庫 1984.6)

立原正秋『雪の朝』(角川文庫 1981.9)

檀一雄『火宅の人(上)』(新潮文庫 1981.7)

檀一雄『火宅の人(下)』(新潮文庫 1981.7)

永井荷風ふらんす物語』(新潮文庫 1951.7)

福永武彦『忘却の河』(新潮文庫 1969.4)

を買った。

 

 

12/11(日)

いとこの家にきた。

 

 

12/12(月)

いとこと焼肉を食べた。

 

 

12/13(火)

通所47日目。

 

 

12/14(水)

通所48日目。

 

 

12/15(木)

詩が書けない

 

 

12/16(金)

通所49日目。

 


12/16(金)

福永武彦『夢みる少年の昼と夜』(新潮文庫 1972.11)

中村真一郎『俳句のたのしみ』(新潮文庫 1996.5)

・澁澤龍彥『少女コレクション序説』(中公文庫 1985.3)

を買った。

 

 

12/17(土)

操られたくない

 

 

12/18(日)

佐藤亜紀『喜べ、幸いなる魂よ』(角川書店 2022.3)を買った。

 

 

12/19(月)

何もありはしない。すべての現実のものの正体は無、無なのさ。荒野の上の空のように虚しい空(くう)なのさ。わたしたちがその一番の証しじゃないか。

(金井美恵子『忘れられた土地』)

 


12/19(月)

パスカルキニャール『深淵』(村中由美子訳 水声社 2022.1)を買った。

 

 

12/20(火)

通所50日目。

 


12/20(火)

この悠久の時の流れの中で人類の歴史がわずかな時しか占めていないことに気づくと、吐き気がして全身に悪寒が走ります。わたしを救いに来て下さい。わたしは今、窓辺にいて、波の音に耳を傾けています。

(金井美恵子『恋人たち』)


錯乱の中で苦痛に充ちた記憶は、古びた紙切れの中に書かれた物語としてここに存在し、記憶の髄から溢れる水は彼女の肉体の中心に無数の支流を持つ河のように流れ込み、河は唯一の物語を洪水のように溢れさせる。それは全てを吞みつくし押し流し溶かし込み砕きつくす激しい流れであり、死によってしか回復され癒されることのない病いだ。

(金井美恵子『不滅の夜』)

 

 

12/21(水)

三島由紀夫仮面の告白』(新潮文庫 1950.6)を買った。

 


12/21(水)

通所51日目。

 

 

12/22(木)

ミラン・クンデラ『生は彼方に』(西永良成訳 ハヤカワepi文庫 2001.7)

矢川澄子『兎とよばれた女』(ちくま文庫 2008.5)

・『中上健次選集 十九歳の地図 蛇淫他』(小学館文庫 2000.5)

神林長平『猶予の月(上)』(ハヤカワ文庫JA 1996.6)

神林長平『猶予の月(下)』(ハヤカワ文庫JA 1996.6)

を買った。

 


12/22(木)

人と会った。また来年も会いましょうと言った。

 

 

12/23(金)

通所52日目。

 

 

12/24(土)

料理をした。

 

 

12/25(日)

・『宮沢賢治全集1』(ちくま文庫 1986.2)

・『宮沢賢治全集2』(ちくま文庫 1986.4)

を買った。

 

 

12/26(月)

弱さと目が合う時はあなたを思い出していた

 

 

12/27(火)

通所53日目。

 


12/27(火)

古川日出男『沈黙/アビシニアン』(角川文庫 2003.7)

・キジ・ジョンスン『霧に橋を架ける』(三角和代訳 東京創元社 2014.5)

・『メアリ・ヴェントゥーラと第九王国  シルヴィア・プラス短篇集』(柴田元幸集英社 2022.5)

・ウィル・マッキントッシュ『落下世界(上)』(茂木健訳 創元SF文庫 2019.8)

を借りた。

 

 

12/28(水)

通所54日目。

 

 

12/28(水)

詩を書いた

 

 

12/29(木)

・『宮沢賢治全集4』(ちくま文庫 1986.7)

・『狼の太陽 マンディアルグ短編集』(生田耕作白水Uブックス 1989.7)

カート・ヴォネガット『母なる夜』(池澤夏樹白水Uブックス 1984.6)

ジョン・ファウルズ『コレクター(上)』(小笠原豊樹白水Uブックス 1984.7)

ジョン・ファウルズ『コレクター(下)』(小笠原豊樹白水Uブックス 1984.7)

J・G・バラード『結晶世界』(中村保男訳 創元SF文庫 1969.1)

を買った。

 

 

12/30(金)

「おれは悪そのものであり、その悪を、生きとし生けるものに自覚させる」

(古川日出男『沈黙』)

 

 

12/31(土)

今年も死なずに終えた。来年も同じことが言えているのか。