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灰色の記憶

日記 8/13-8/19

8/13(土)

眠る、眠ることだ、眠りのほかは無用
目覚めもいらぬ、夢もいらぬ。
風と寄せて身に触れる何やらの
かすかな記憶すら知らぬ。
まして、溢れる生がこの静まりの中へ
響き降りて来ようものなら
いよいよ深く身を包みこみ
いよいよ固く目を閉ざすまでだ。

(フリードリヒ・ヘッベル「苦にもその理」)




8/14(日)

開高健『花終る闇』(新潮文庫 1993.3)

・澁澤龍彥『エロティシズム』(中公文庫 1984.5)

チェーホフ『短篇と手紙』(みすず書房 2002.1)

蓮實重彦『伯爵夫人』(新潮社 2016.6)

を買った。


ボルヘスアレフ』(鼓直岩波文庫 2017.2)

・ミレナ・イェセンスカー『ミレナ 記事と手紙 カフカから遠く離れて』(松下たえ子訳 みすず書房 2009.11)

・メアリー・ルイーズ・ロバーツ『兵士とセックス 第二次世界大戦下のフランスで米兵は何をしたのか?』(佐藤文香、西川美樹訳 明石書店 2015.8)

を借りた。




8/14(日)

おそらく、何物も現実ではないと直感しているからこそ、われわれは簡単に現実を受け入れる。

(ボルヘス「不死の人」)



「狂人たちの行動は」と、ファラクが応じた。「常人には測りかねます」
「彼らは狂っていたわけではありません」と、アブルカシムは説明せざるをえなかった。「ある商人の話によれば、彼らはある物語を演じているのです」

(ボルヘスアヴェロエスの探求」)




8/15(月)

キングダム2を観にいった。




8/16(火)

通所11日目。




8/16(火)

生きてこの世の理を知りつくした魂なら、
死してあの世の謎も解けたであろうか。
今おのが身にいて何もわからないお前に、
あした身をはなれて何がわかろうか?

(オマル・ハイヤーム「解き得ぬ謎」小川亮作訳)



ないものにも掌の中の風があり、
あるものには崩壊と不足しかない。
ないかと思えば、すべてのものがあり、
あるかと見れば、すべてのものがない。

(オマル・ハイヤーム「無常の車」)




8/17(水)

しかし、風と吹き寄せるもの、静まりから形造られる不断の音信を聞き取れ。

(古井由吉『詩への小路 ドゥイノの悲歌』講談社文芸文庫 p165)


かつては一軒の持続する家屋のあったところに、今では人に考え出された造形ばかりが露呈して、間違いのように、考案の領域にもろに属して、あたかもなお頭脳の内に留まっているかに見える。

(p206)


お前は常に正しかった。そしてお前の聖なる着想は、内密の死であるのだ。

(p224)


しかし苦悩こそわれわれの、冬場も枯れぬ葉であり、心の暗緑であり、内密なる一年の一季節、いや、時ばかりでなく所、寓所であり、臥所であり、地所であり、居所であるのだ。

(p228)


そしてわれわれは、上昇する幸福を思うわれわれは、おそらく心を揺り動かされ、そのあまり戸惑うばかりになるだろう───幸福なものは下降する、と悟った時には。

(p233)




8/18(木)

・『ゴシック文学神髄』(ちくま文庫 2020.10)

飛浩隆『象られた力』(ハヤカワ文庫JA 2004.9)

を買った。




8/19(金)

通所12日目。




8/19(金)

これは、かつて生じた。いずれまた生じるであろう、とエウフォルブスは言った。お前たちは薪の山に火を付けたのではない。炎の迷宮に火を付けたのだ。かつて私が焼かれた炎のいっさいがここに集められるならば、地上に収まり切らず、天使らも盲目となるだろう。これは私が幾度となく言ってきたことだ。

(ボルヘス神学者たち」)




8/19(金)

久々に酒を飲んで酩酊している。記憶を失くすまで飲んだことはない。


風が気持ち良い。