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灰色の記憶

日記 1/1-3/31(2024)

1/1(月) 本当のところ愛する者だけが相手を傷つけることができるのだ。 (ホルヘ・ルイス・ボルヘス『闇を讃えて』斎藤幸男訳 水声社 p8) 誤りだけがわれわれのものだ。 (p11) これらのしるしはわたしの永遠からこぼれ落ちるのだ。 (p21) われらはわれらの記…

日記 11/1-12/31(2023)

11/1(水) 通所186日目。 11/2(木) 裁かれて無慘の生を全󠄁うせよ それのみに希ひし延命のこと (水原紫苑『快樂』短歌研究社 p248) 11/2(木) E・M・フォースター『インドへの道』(瀬尾裕訳 筑摩書房 1985.8)を買った。 11/3(金) 通所187日目。 11/3(金) 断崖は…

日記 8/1-10/31

8/1(火) 通所146日目。 8/2(水) 通所147日目。 8/2(水) 金井美恵子『タマや』(河出文庫 1999.6)を買った。 8/3(木) 病院。 8/4(金) 通所148日目。 8/4(金) 神は目を閉じた。誰かに祈ることさえできたなら。 (ロン・カリー・ジュニア『神は死んだ』藤井光訳 …

日記 7/1-7/31

7/1(土) 久坂葉子『ドミノのお告げ』(勉誠出版 2003.2)を買った。 7/2(日) はじめて会う人と高円寺、それから中野に行った。 7/2(日) ・古井由吉『聖耳』(講談社 2000.9) ・古井由吉『仮往生伝試文』(河出書房新社 1989.9) ・ニーチェ『偶像の薄明』(秋山英…

日記 6/1-6/30

6/1(木) 私たちは人びとと親密になると、これは一生の結びつきになると考える、それが突然、一夜にしてその人びとが視界からも記憶からも消えてしまう、これは本当だ、と安楽椅子のうえで私は考えた。 (トーマス・ベルンハルト『樵る 激情』初見基訳 河出書…

日記 5/1-5/31

5/1(月) 僕は出発するというより逃亡しようとしていた。 (大江健三郎『叫び声』講談社文芸文庫 p186) 5/1(月) 病院にいった。すいていた。血を抜いた。 5/2(火) 通所103日目。 5/3(水) 通所104日目。 5/4(木) 葉擦れの音。鶯の鳴き声。 5/4(木) 『ヘミングウ…

日記 4/1-4/30

4/1(土) 大地が自分を待ちうけているとわかっていながら、空虚を選びとる人間は、充溢の拒否を表し、質量的なものに怖れをいだいていて、何秒か、物理的な空虚を横切ることによって〈永遠の空虚〉の道を渡ろうと願う。 (アントニオ・タブッキ『ベアト・アン…

日記 3/15-3/31

3/15(水) 通所86日目。 3/15(水) 緩やかな衰亡の途上にあることの悦び。あるいは、形態の記憶を徐々に忘れ去ってゆくことの悦び。 (四方田犬彦『摩滅の賦』筑摩書房 p6) 3/16(木) ・石沢麻依『貝に続く場所にて』(講談社 2021.7) ・諏訪哲史『岩塩の女王』(…

日記 3/8-3/14

3/8(水) 通所83日目。 3/9(木) マッコルランによれば、表現主義が関わるところでは必ず、社会的幻想も存在している。それはおそらく、この双子のような二つの傾向がいずれもその不健康なエネルギーをロマン主義の泉から汲んでいるからだろう。 (ピエール・マ…

日記 3/1-3/7

3/1(水) 通所80日目。 3/1(水) ガルシア・マルケスのことを考えていた。 3/2(木) 疲れている。気づいたら倒れている 3/3(金) 通所81日目。 3/3(金) 歓喜する人間は、氾濫する時間の水源に体ごと飛び込んでいく。 (パスカル・キニャール『いにしえの光』小川…

日記 1/1-2/28(2023)

1/1(日) ・遠藤周作『月光のドミナ』(新潮文庫 1972.3) ・吉行淳之介『闇の中の祝祭』(集英社文庫 1978.2) ・中村文則『惑いの森』(新潮文庫 2018.1) ・中村文則『迷宮』(新潮文庫 2015.4) を買った。 1/2(月) ・ミラン・クンデラ『冗談』(西永良成訳 岩波文…

日記 10-22-12/31

10/22(土) 喉が痛い。 10/23(日) 朝。寒気に嘔気。 食べ物を入れたら吐いてしまった。 昼。寒気と嘔気は消えた。まだ喉が痛い。 10/24(月) たとえ言葉を話さなくとも、花が生きて呼吸をしていて、やがて萎れて死んでしまうという事実を否定できる者がいるだ…

日記 10/15-10/21

10/15(土) 何かぼく以上のものがぼくの中で動いている。 (日野啓三『地下へ /サイゴンの老人 ベトナム全短篇集』講談社文芸文庫 p59) 10/16(日) 『ボードレール詩集』(粟津則雄訳 現代詩文庫 1993.7)を買った。 10/16(日) 死がたくみに生の中へ紛れこむ。 (…

日記 10/8-10/14

10/8(土) どうでもいいことばかり憶えているのは、そのどうでもよさを些少なりとも愛していたから 10/8(土) 優しいといわれる行動をしたからといって優しくしたいと思っているとは限らない、というのが私の基本原則だった 10/9(日) ここにあるのは機械のたえ…

日記 9/24-10/7

9/24(土) 離人になるとき、私は何を思ってきたのだろう 9/25(日) ・ジャン・ジュネ『泥棒日記』(朝吹三吉訳 新潮文庫 1968.9) ・大庭みな子『花と虫の記憶』(中公文庫 1982.4) を買った。 ・カルロス・バルマセーダ『ブエノスアイレス食堂』(柳原孝敦訳 白水…

日記 9/17-9/23

9/17(土) 池袋。人と会った。私をふくめて3人。水族館にいったり、パフェを食べたりした。とても楽しかった。また会おうね。 9/18(日) 雨。 9/19(月) 慢心によって疲弊するとともに、その慢心によって生かされていた。 (ナタリー・スコヴロネク『私にぴった…

日記 9/10-9/16

9/10(土) 葬儀2日目。 9/11(日) 23歳になった。 9/11(日) 私たちが鏡であるとは、私には鏡を見ることができないということだ。 (合田正人『フラグメンテ』法政大学出版局 p4) 9/12(月) 通話した。楽しかった。 9/13(火) 通所19日目。 9/13(火) ・マルセル・…

日記 9/3-9/9

9/3(土) 詩を書いた。 9/3(土) 私は青ざめる人々を見るなぜ?それは禁止されているからあなたがたは渇いているから (ヤン・ファーブル『わたしは血』(宇野邦一訳 書肆山田 p17) 血はみずからの歴史を書き直すだろうそして私は増殖するであろう (p33) 9/4(日)…

日記 8/27-9/2

8/27(土)友達と遊んだ。 8/28(日)すべてのものがますます等価になり、白い光に透過されていった。等価は、無差別ではない。むしろ限りない差異に等しい。(宇野邦一『〈兆候〉の哲学 思想のモチーフ26』青土社 p76-77) 8/29(月)・メアリー・チェンバレン『ダ…

日記 8/20-8/26

8/20(土)・古井由吉『東京物語考』(講談社文芸文庫 2021.5)・イェジー・コシンスキ『ペインティッド・バード』(西成彦訳 松籟社 2011.8)・ヘルタ・ミュラー『呼び出し』(小黒康正、高村俊典訳 三修社 2022.6)を借りた。 ・立原正秋『春の鐘(上)』(新潮文庫 1…

日記 8/13-8/19

8/13(土)眠る、眠ることだ、眠りのほかは無用 目覚めもいらぬ、夢もいらぬ。 風と寄せて身に触れる何やらの かすかな記憶すら知らぬ。 まして、溢れる生がこの静まりの中へ 響き降りて来ようものなら いよいよ深く身を包みこみ いよいよ固く目を閉ざすまでだ…

日記 8/6-8/12

8/6(土)通い馴れた道であれば見馴れているのに不思議はないものを、一瞬、見馴れたという以上の、既視感に苦しむようだった。(古井由吉「道から逸れて」) 空間の自然らしさも、人が居たり立ったり動いていればこそ、その目に刻々と保たれているものらしい。(…

日記 7/30-8/5

7/30(土)現実の孤独においては、錯覚だけが信者に応えるのだが、信者でない者に応えるのは不可解なものなのである。(ジョルジュ・バタイユ『有罪者 無神学大全』江澤健一郎訳 河出文庫 p31) 宇宙を笑うことで私の生は解放されていた。(p33) 激しい笑いが生じ…

日記 7/23-7/29

7/23(土)・古井由吉『白髪の唄』(新潮文庫 1999.10)・古井由吉『楽天記』(新潮文庫 1995.11)・古井由吉『この道』(講談社文庫 2022.2)・塚本邦雄『十二神将変』(河出文庫 2022.1)・宇佐見りん『かか』(河出文庫 2022.4)を買った。 ・ステファン・グラビンス…

日記 7/16-7/22

7/16(土)自分が年を取っていくということが亡くなった人へ供養になるというような感じ方は、あるものかしら、などと考えたりした。(古井由吉「枯木の林」) 人生は間違いの連続で、それによって我々は究極の真実、唯一の真実へと導かれるのだ。(ロベルト・ボ…

日記 7/9-7/15

7/9(土)なんら不足のない子供のころですら、私は死にたいと思った───苦労することに、なんらの意義も認められなかったので、すべてを放棄したかった。自分で求めもしなかった人間生活をつづけても、なにひとつ得るところがなく、なんらの実証も得られず、プ…

日記 7/2-7/8

7/2(土)ヘミングウェイの晩年を思っていた 7/3(日)ロレンス『チャタレイ夫人の恋人 完訳』(伊藤整訳、伊藤礼補訳 新潮文庫 1996.11)を買った。 完訳ではないのを前に買っていた。 7/4(月)「哀れな身寄りもない年寄りをなぐったりすると、ひどい罰が当たるぞ…

日記 6/25-7/1

6/25(土)人は法を作る瞬間から、法の外に置かれ、同時に法の保護から逃れる。かかる理由によって、なんらかの権力を行使する人間の命は、ごきぶりまたは毛虱の命ほどの値打ちももたない。(ミシェル・トゥルニエ『魔王(上)』植田祐次訳 みすず書房 p95) 悪と…

日記 6/18-6/24

6/18(土)忘れる 6/19(日)「記憶の園が砂漠化したら、誰もが手の内に残った最後の樹木や薔薇を震えるほど慈しむよ。どうか萎れてしまわないようにと、朝から晩まで水をやり、愛撫するんだ。覚えているよ、覚えているから、忘れたりするもんか、とね。」(オル…

日記 6/11-6/17

6/11(土)何回読んだか知れない「秋風記」を読んだ。今日は、つづけて、7回読んだ。 6/12(日)善人が愛するのは善人で、悪人が愛するのは悪人、本当にそうか? 6/12(日)ゴーゴリ『死せる魂』(東海晃久訳 河出書房新社 2016.9)を借りた。 ・ロレンス『チャタレ…