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灰色の記憶

日記 1/29-2/4

1/29(金) 天気:晴れ

本をまた、何冊か買った。倉橋由美子「大人のための残酷童話」。既存の童話のオマージュらしい。読むのが楽しみ。童話が好きだから。

きょうで、バイトを辞めてちょうど一年が経った。辞めた日の夜に書いたブログが残っていて、読み返してみた。「人間、いくつになってもやり始めるのに遅いということはないからね」と先輩に言われたらしい。その先輩の名前すら、もう思いだせない。「わたしは、死ぬと決めるには早かったかもしれなかったみたいです。」なんてことも書いていた。そうか、死にたかったのか、私は。先輩、今あなたが私のこの状態と状況を見たら、なんと言うでしょうか。なんと言われようと、私は受け止めます。

一日一日を、一分一秒を、不器用なりに、懸命に生きていると、いつか伝えたいです。


1/30(土) 天気:晴れ

きょうは、ずっと寝ていた。

弟の誕生日だった。最後にまともに話したのはいつだろう。いつからか話さなくなった。

私は、今年で22になる。最後にまともに話した相手は、いつも家族ではない。

私は、実名も、詳細な素性も知らない人との記憶を積み上げている。それが空虚なことだとは、思わない。相手がどう思っているかは知る由もないけれど、私は、やっぱり話すことが好きで、私を好きな人のことが、好きだから。


1/31(日) 天気:晴れ

途方もない考え事をしていたら、いつの間にか夜が明けていて、諦めて寝た。4時。

図書館にいった。サルトルの「水いらず」を借りた。中村文則が作品で取り上げてたから、気になっていた。

今月も、なんとか終えました。やり過ごしたというと悲観的なので、乗り切ったと言っておきます。来月も、がんばります。


2/1(月) 天気:晴れ

左側の顎関節のあたりに異変を感じ、口を開閉するたびに痛みが走り、咀嚼も碌に出来ない。最初、心因性の歯痛かと思っていたのだけど、歯ではないことにすぐ気付いた。もう少し様子をみて、治まる兆しがなければ病院にいこうかなと思う。何科になるんだろう。内科?

散歩がしたい。明日また図書館にいこう。


2/2(火) 天気:晴れ

多和田葉子「献灯使」読了。

昼過ぎ、図書館にいった。人がまばらで、殆どいないに等しかった。ジッドと、コレットと、ゴールズワージーを1冊ずつ借りた。

古本屋で、シャーリイ・ジャクスンの「ずっとお城で暮らしてる」を偶然見つけて、迷いなく買ってしまった。

どうせ死ぬのに、というフレーズがある。それは普遍的な根拠ではなく、個人的な意味付けに過ぎない。それなのに、全体に適用しようとする人がいる。そういった前提を踏まえたうえで、理由なく、もっといえば、意味付けに固執することなく、何かをしてもいいのだし、何もしなくてもいいのだと思う。個人の選択に干渉する権利があっても、それを抑圧したり侵害したり嘲笑したりする権利は誰にもない。ただ、何かをする際には責任が伴うのと同様に、何もしない際にも責任が伴うことを心得ておく必要がある。受け身で未来が好転することはない、とは私は断言しない。また、主体的であれば好転する、とも言わない。最も、成長に興味がない人間にこんなことを言うのも、野暮な話だけれど。私はあらゆる性格の人間を否定も肯定もしない。現実として受け入れるだけだ。私が受け入れられるかどうかは、別にどうでもいい。


2/3(水) 天気:晴れ

アンナ・カヴァンアサイラム・ピース」を読んだ。始終圧倒されていた。どこが凄いのかというと、どこにも救いが無い。徹底的に無い。多分、何度読んでも圧倒されるだろうと思う。

シモーヌ・ヴェイユの誕生日らしい。哲学書より詩集を読んでみたいのだけど、なかなか見つからない。あきらめて、先に哲学書を読むか。


2/4(木) 天気:くもり

最近は、よく寝られている気がする。

アンドレ・ジッド「パリュウド」読了。ジッド作品には「盲目」というワードがよく登場するような気がする。この作品でジッドが好きになった。小林秀雄の訳も素晴らしかった。次は「狭き門」を読もうかなと思う。