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灰色の記憶

日記 1/22-1/28

1/22(金) 天気:晴れ

図書館にいった。受験シーズンの為か、相変わらず制服姿の中高生で犇めき合っていた。その視線をかいくぐるように物色し、面倒臭くなり、同じ人の本をまとめて3冊借りた。


1/23(土) 天気:雨

いつぶりの雨だろう。雨が好きになったきっかけは、何だったろう。雨音に耳を澄ましていると、いつかの光景が脳裏を掠める。過去という名の海に潜水し、私はたどたどしい手つきで真珠を掬いあげる。錆びついた結晶を掬いあげる。それを見た刹那、私は過去と現在との距離感に愕然とし、眩暈を起こす。今日まで、錯覚に生かされていたのだと知る。恨めないものが、憎めないものが、またひとつ増えていく。


1/24(日) 天気:雨

青空文庫モーリス・ルヴェルを読み返していた。「無駄骨」、「碧眼」、「自責」、「乞食」、「幻想」、「十時五十分の急行」、「或る精神異常者」、「麻酔剤」、「誰?」、「ふみたば」、「ペルゴレーズ街の殺人事件」。上がっているのはどれも20頁前後の短篇なのだけど、どれも癖があって好きだ。たしか創元推理文庫から短篇集が刊行されていたと思うから、見かけたら無くなる前に買っておきたい。


1/25(月) 天気:晴れ

中村文則「何もかも憂鬱な夜に」読了。

白石一文「この世の全部を敵に回して」読了。川上弘美の解説がよかった。川上弘美の小説が無性に読みたくなってきた。彼女の文章は洗練されていて美しいから。


1/26(火) 天気:晴れ

最果タヒ「十代に共感する奴はみんな嘘つき」読了。十代の時に読みたかったな。

すべてが換言可能であったら、どんなにつまらないだろう、と思う。でもきっと、私はそのつまらなさまでをも愛するのだろう。

ゲームセンターを通りかかったら、子供向けのクレーンゲームで遊んでいる小さな女の子と、すぐ傍のベンチに座っている母親らしき人物がいて、その子供が「獲れた」と母親に景品を示しても、母親の方は手元のスマートフォンに気を取られているのか気付いていなくて(騒音のせいということも加味できるが)、その一瞬の光景を通りすがりに目撃した時、ああ、やるせないな、と思った。喜びの共有が上手くいかなかった時、共有する喜びというのが瞞しのように思えて、共有したくなくなる。そんなことが、昔あったな。よかったね、と声に出さずに言った。名前も知らないその子に。きみがいつか、感情を共有し合える人と巡り会えますように。


1/27(水) 天気:晴れ

久々の渋谷は快晴だった。少し見ない間に駅構内がまた変わっていて、出るのに手間取ってしまった。CDを買いに来た。予約していたヨルシカのCDを受け取った。あと、Hammer Head Shark、afloat strangeのCDを1枚ずつ買った。

夕頃、公園にいった。芝に座って、酒を飲んでいた。白い月が白々しく空に貼りついていた。嘘みたいな雲が嘘みたいに浮かんでいた。ほんの少しだけ日が延びたような気がする。「こんなよい月を一人で見て寝る」と詠んだのは、放哉だったか。あの句で重要なのは「一人で」という部分だろう。そう、一人で。

今月は今のところ16冊読んだけど、きりが悪いからあと4冊読みたいな。読めるかな。


1/28(木) 天気:雨

終日寒かった。東京では雪が降ったらしい。私は東京の人間じゃないけど。

コレットの誕生日だった。「青い麦」しか読んだことがないから、他も読んでみたいとおもう。